帰国子女の中学受験⑪ 男子校vs共学校

帰国子女の中学受験⑦から⑨で大学付属校について検討してみました。

個別の学校を見てみると、教育理念に基づいて独自の取り組みが行われていて魅力的だと感じました。また、付属校ならではの余裕、つまり大学受験に縛られないカリキュラムや充実した施設、大学との連携が図られていて、付属校に行くメリットは大学受験の回避だけではないということがよくわかりました。

一方で、我が家の事情ですとやはり以下の2点が気になってしまうところです。

①小学生のうちに事実上大学まで決めてしまうのは、本当に子供のためになるのか

②英語力を向上させたい(ネイティブ並みに)が、多くの付属校では難しそう

 

そこで、ここからは中高一貫校のみを対象として志望校を検討していきます。

まずは、男子校vs共学について検討します。

帰国子女の中学受験④、⑤で記載した一貫校を男子校と共学校に分けてみます。

男子校

暁星学園中学校、東京都市大学付属中学校、海城中学校、攻玉社

共学校

広尾学園小石川、東京都市大学付属等々力、宝仙学園中学校共学部理数インター、広尾学園、渋谷学園渋谷中学校

 

①それぞれのメリット

私は 中高共に共学でしたので男子校経験はありません。ですので、男子校については実態を知りません。このブログを書き始める前は「中高の多感な時期に男子としか接しないなんて不健全だ」と思っていましたし、実際にそういう声も少なくないと思います。男子校にメリットなんてある??と思っていましたが、実際に各校のホームページ等を拝見して、今ではどっちも利点があって、子供の性格や各家庭の考え方次第だと考えています。

ここで、一般的に言われている男子校と共学のメリットをそれぞれ見ておきたいと思います。

男子校のメリット

・異性の目を気にせず、趣味や好きなことに没頭できる

・勉強に集中できる

・結束が固い(いじめが少ない?)

共学校のメリット

・多様な価値観に触れ、社会性が醸成される

・自制心を保つことができる

・異性の目をモチベーションに変えられる

 

要約すると

男子校は異性がいないので男同士で楽しく過ごせて勉強に集中できる 

共学校は異性と触れることで多様な立場の人とコミュニケーションがとれる

こんな感じでしょうか。デメリットはただの裏返しなので省略します。

男同士の方が楽しいのか、女子もいた方が楽しいのか、、、人それぞれでしょうか??

 

②「男子校は勉強に集中できる」は本当か?

ちょっと気になるのは、男子校だと異性がいないので勉強に集中できるってことです。

これは、「男子校の方が成績がいいですよ」っていう意味ですよね?この真偽を確認するため、本来は、入学時から卒業時までの伸びを測定したかったのですが、手段が思い浮かびませんでした。。。

次善の策として入学時の偏差値を見ていくことにします。(入学後に学力を伸ばしてくれる学校は人気が高まり、入学時偏差値も上がっていくので概ね外れてはいないと考えます。)

今回利用したサイトは「study中学受験」です。登録されている23区内の学校は150校。「中学受験高校受験パスナビ」というサイトでは、148校でしたので網羅性は問題なさそうです。(差の2校のうち1校は広尾学園小石川でしがもう1校は不明。)

23区内150校の内訳を見てみます。共学66、男子校28、女子校56で共学比率は44%、男子校比率は18.7%でした。

次に、偏差値50以上に絞ると、全体で65校、共学26、男子校20、女子校19となり、共学比率は40%、男子校比率は30.8%となります。18.7%から30.8%まで上がったので、男子校は偏差値50以上の学校の比率が高いと言えそうです。一方、共学はあまり変化していないです。

更に、偏差値60以上に絞ると、全体で36校、共学13、男子校13、女子校10となり、共学比率36.1%、男子校比率36.1%となります。母集団は男子校の方が半分以下なのに偏差値60以上に絞ると同じ比率になりました。ここから、男子校は共学校と比べて偏差値が高い学校の比率が高いと言えます。

これだけを見ると、「男子校は勉強に集中できる」という結論になりそうな気もします。しかし、女子校にも「異性の目を気にせず~~」というのは当てはまるはずですよね?女子校は男子校とは逆に偏差値を上に絞っていくと比率は下がっていくので、やっぱり共学と別学は学力とは関係ないというのが私の結論です。いかがでしょうか??

③結局、共学校と男子校はどっちがいいのか

私は、ダイバーシティの観点からは、共学がいいかなというように思っています。ただ、近年は共学校の方が人気があるようで、男子校や女子校が共学化するケースが見られます。これは、共学の方が魅力的だと感じている人が多いということなのでしょうか。

この点、某男子校の先生に共学化する予定はないか聞いたことがあります。その方は、次のようにおっしゃっていました。

「男子と女子は成長の仕方に明確な違いがあり、それぞれに合った教育方法があります。ですので、当校は男子の成長に合わせ、男子特有のこだわりを大切に育てるような教育をしています。少子化の時代ですから、学校経営的には共学にした方がいいのかもしれません。しかし、私たちは信念をもって教育をしていますので、共学に変えるようなことは検討していません。」

このように明確な信念をもって生徒を育てようとしてくれる学校に子供を預けたいなと思いました。結論としては、共学校でも男子校でもそこに明確な理由やポリシーがあり、生徒の人間力を高めようとしてくれる学校を選べたらいいと思います。 

 

~おまけ~

一応、偏差値60以上の学校名を確認してみました。(太字は帰国子女受入校)

共学校は、慶應中等、渋渋、筑附、お茶女(中学まで共学)、広尾、青学、学世田、農大一校という結果でした(残りは都立と区立なので省略します)。

男子校は、筑駒、開成、麻布、早稲田、海城、芝、武蔵、本郷、攻玉社、駒場東邦、巣鴨、高輪、都市大付属という結果でした。

なお、偏差値は四谷大塚結果80偏差値だそうです。