帰国子女の中学受験㉔ 二月の勝者1巻(一部ネタバレあり)

以前、東大合格を目指す「ドラゴン桜」がドラマでやっていましたが、中学受験を扱った「二月の勝者」もドラマ化予定だったんですね。コロナの影響で2020年7月から放送の予定だったのが延期されているようです。どんな内容か興味があったのでコミックの1巻を読んでみました。

主人公は新人塾講師で、中学受験の世界が塾経営・塾講師側の目線で描かれています。確かに、塾を経営する視点で考えたことがなかったので、なるほどなぁ~という感じでした。

コミックの帯に『「学習塾」は「子供の将来」を売る場所ですー』と書いてあり、まぁ、その通りですよね。①希望の学校に入学するための情報とノウハウを売ること、②小学生の子供を動機づけしコントロールすること、主としてこの2つを提供するサービス業ということです。塾側も、より難易度が高い学校に入れることが実績として評価され、翌期以降の集客につながりますし、一般的には顧客側も難易度が高い学校に入ることを望んでいるので利害が一致して商売になるわけですね。

コミック1巻は2月からで、6年生の受験が終わり、5年生の新学期が始まります。ちょうど今の時期と一緒ですね。

これを読むと、中学受験の概要が受験生目線ではなく大人目線で入ってくるので、もっと早く読んでおけばよかったと思います。これから中学受験を目指そうか迷っている方にはお勧めの漫画です。

 

≪ここからちょっとだけネタバレ≫

冒頭で、トップの成績だった子が2月1日の受験に向かう電車の中で嘔吐し、麻布に不合格となったエピソードがありましたが、小学生で初めての受験ですし、今まで真剣に準備してきた子ほど緊張してしまうのも当然だと感じました。

 その他にもサッカーを続けるか中学受験をするか迷っている家庭に、「凡人こそ中学受験を!」というエピソードがあります。

でも、このシーンで、サッカーでプロになれる割合と中学受験でトップ校に合格できる割合を比べていますが、これって比較対象としておかしいですよね。人生の目標としてプロサッカー選手を目指す人はいると思いますが、人生の目標がトップ中学の合格って人はいないですよね。中学校や高校は途中経過ですからね。

この漫画では、中学受験は才能がものをいう運動や芸術分野と比べ、努力に対するリターンが大きいから凡人こそ中学受験をすべきという話が描かれています。確かに中学受験に限らず、勉強は運動や芸術分野より努力に対するリターンが大きいという点には同意できます。うちの子にもリターンがあるといいなぁ~

2巻以降も読んでみます。