帰国子女の中学受験⑦ 付属校vs中高一貫校

中学受験の志望校選定にあたって、まずは大学付属校をメインに考えるのか、中高一貫校をメインに考えるのか考えたいと思います。子供の意見を尊重したいところですが、子供はまだ大学受験とか、大学選びとか、将来への影響とか全くイメージできないはずです。ですので「大学まで受験勉強しない付属校と大学受験が必要な一貫校どっちがいい?」という聞き方をしたら受験勉強しないほうがいいって言うに決まっています。そこで、それぞれのメリットとデメリットを考えておきたいと思います。

①付属校のメリット

・大学まで受験勉強不要

・長期的視野で将来の夢に向けた取り組みを始められる

・趣味や部活に全力で取り組める

・大学と連携した授業があったり、設備が整っている学校が多い

②付属校のデメリット

・中学入学で事実上大学まで決まってしまう(将来を固定化してしまうリスク)

・受験勉強した子と比べ、学力や知識が劣る

・中高の友人がほぼ全員同じ大学なので交友関係が偏る

③一貫校のメリット、デメリット

これは付属校の裏返しです。最大のメリットは、子供に自我が芽生えた後に自分の将来のための進路を決めることができるという点だと思います。逆にデメリットは受験のための勉強がかなり必要となるため、好きなことに取り組む時間が少ないこと等が挙げられます。あと、私の個人的なイメージですが、付属校よりは熱心に指導してくれる先生が多い気がします。

 

以上のメリット、デメリットを考慮の上、どちらを子供にお勧めしたいかというと、私は一貫校をお勧めしたいです。小学生なんて、まだ生まれて10年程度しか経ってないじゃないですか。まだ何にも知らないうちに大学までのレールを敷いてしまうのは過保護というか過干渉な気がします。

ただ、やっぱり付属校のメリットも捨てがたいので、もう少し付属校について調べてみようと思います。

帰国子女の中学受験⑥ 志望校の判断基準は?

さて、帰国子女の中学受験③から⑤で気になる帰国子女受入校を書き出してみましたが、どの学校を志望校にするか初めに考えておきたいと思います。志望校選定はもっと先でいいと思うかもしれませんが、帰国子女受験においては学校ごとに試験内容が大きく異なり、科目が違ったり同じ科目でも出題内容が全く違ったりします。ざっくり分けただけで以下のような違いがあり、パターンは様々です。

・受験科目:英算国or算国or英算or英

・エッセー、作文の有無

・一般生と同じ問題or帰国生用に難易度を落とした問題

・面接:個人or親子or集団(通常面接orグループディスカッション)

これらの組み合わせだけバリエーションがあるので、どんな学校を目指すのかある程度先に決めた方が取り組みやすいというのはお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

では、何を基準に志望校を絞っていくか?

最初は偏差値と大学進学実績を高い順にみていって、入れそうなところを志望校にすると思っていました。でも、いろんな学校の特徴を見ていたら偏差値だけで選んじゃダメだってことがわかってきました。やっぱり、子供の特性に合わせることが一番大切だと思うんです。つまり、教育理念、中学高校の6年間でどのように生徒を育てたいか。これがはっきりしていて、共感できればいいと思うのです。もちろん理念だけ立派でも取り組みがしっかりできていなければダメですけどね。

教育理念のほかに何を学校選びの軸とするか、いろんな切り口があると思います。

①大学付属vs中高一貫

②男子校vs共学

③新興vs伝統

④宗教vs無宗教

 他にも、場所、施設、制服、登校時間、土曜授業の有無、校則などなど、6年間通うとなると細かい差でも気になってきます。

親目線から見ると、学費、寄付金、食堂の有無、PTA組織などなど、気になるところです。

そして、入学難易度や進学実績ももちろん重要です。親心としてはなるべく偏差値の高い学校、進学実績のいい学校を勧めたくなってしまいますが、、、

まずは①の大学付属vs中高一貫ですよね。どちらをメインにするかで対策は大きく変わります。次回以降で考えます。

帰国子女の中学受験⑤ 中高一貫校その2

さて、引き続き中高一貫校で気になった学校を受験日順に記載しようと思います。ここからは受験日が1月以降の学校です。なお、記載する学校は都内の山手線の内側から南西方面の学校としています。

⑥東京都市大学付属中学校(男子校、最寄り駅:成城学園前)

 「中高一貫校その1」で記載した等々力と同じ東京都市大付属ですが、こちらは男子校で、武蔵工業大学附属中学校から2009年に改称されました。科学実験に力を入れていて3年間で60テーマの実験授業があるそうです。英語は一部の授業が取出しとなるようです。受験科目は英、算、国または日本語作文。帰国枠のほかに一般生も受験できるグローバル入試があり、科目は英、算、日本語作文。

 

⑦海城中学校(男子校、最寄り駅:新大久保)

明治に海軍予備校として創設。 リベラルでフェアな精神を持った新しい紳士の育成を教育目標としている。プロジェクトアドベンチャーやドラマエデュケーション等、多彩な学校行事がある。中学の卒業論文に力を入れているようです。英語は取出し授業を実施。受験科目は国算または国算英。面接では2分間スピーチあり。なお、現在新校舎建設中。

 

⑧攻玉社(男子校、最寄り駅:不動前)

 江戸時代に蘭学塾として創設。こちらも海軍予備校だった時期があったようです。誠意、礼譲、質実剛健をアイデンティティとしているとのこと。帰国子女受け入れも積極的で、中学3年間は国際クラスが編成されます。国際クラスでは英語だけでなく国数もレベル別の分割授業を実施。受験科目は国算または英語一科目。

 

⑨渋谷学園渋谷中学校(共学、最寄り駅:明治神宮前)

 1996年に渋谷女子高が改称。自調自考(自分の手で調べ、自らの頭で考える)を教育目標としています。教育目標の通り、自主性が尊重されているようです。英語はレベル分けされて、上のクラスだとネイティブ教員中心に北米の学校のような授業が行われるとのこと。海外の大学への進学指導にも力を入れている。受験科目は国算に加え、英語か作文の選択。なお、渋谷と原宿の間という立地のためか、グランドは登戸の多摩川沿いです。

 

今のところ気になった学校は以上ですが、他にも見つけたらまた書いてみようと思います。この中から、ある程度絞って子供とどのような学校を目指すか話をしてみようと思います。

帰国子女の中学受験④ 中高一貫校その1

中高一貫校で帰国子女を受け入れている学校の数はかなり多いですので全てを調べることはできません。ここで、学校を選ぶ際に忘れてはいけないことがあります。それは、実際に通うのは自分ではなく子供だということです。

当たり前だろ!ってことなんですが、中高一貫校だと中学1年から高校3年の6年間も通うことになるため、子供でも無理なく通える範囲にあることが前提条件となります。私は帰国時にどこに住むか決まっていないので、住みそうな場所を想定し、ざっくりした範囲で考えたいと思います。ここでは、東京都内の山手線の中から南西方面としておきます。では、私が気になった学校を受験日順に記載します。(長くなるので「その1」では受験日が12月までの学校を記載します。)

 

 ①広尾学園小石川中学校(共学、最寄り駅:千石)

2018年から村田女子高が広尾学園と教育連携。2021年に中学校を開設、共学化して改称。広尾学園の校長先生をはじめ、数名の先生がこちらに移籍したようです。本科コース、インターナショナルコースを設置したのも広尾学園と同じ。インターナショナルアドバンスグループの試験科目は英算国だが算数も英語で出題される。まだ実績はないが、学校の説明では「広尾学園がもう一つできたと思ってもらえれば」とのこと。進学指導も広尾と連携して・・・と書いてありました。初年度からかなりの人気だと聞きました。

 

②暁星中学校(男子校、最寄り駅:九段下)

 カトリックの学校。幼稚園から高校まで。小学校お受験はペーパーテストの最難関らしい。中学はフランス語必修。文武両道でサッカー部は全国レベル(スポーツ推薦等はなく、一般生だけのチーム)。英語は中学3年生からレベル別授業になる。受験科目は英算国。お受験の名門だからか、医学部への進学が多いようです。また、歌舞伎俳優等の芸能人の出身校としても有名。

 

③東京都市大学付属等々力(共学、最寄り駅:等々力)

 2009年に東横学園女子が武蔵工業大学と統合し改称。翌年から共学化。時間管理能力と自学自習力を強化するため独自ツールで計画立案と時間管理を徹底する。中学3年間は給食がある。英語は取出し授業があり、中3からは英語に特化したクラスが設置される。受験科目は国または英、算、作文。帰国枠ではないですが英語1科目入試もあります。

 

④宝仙学園中学校共学部理数インター(共学、最寄り駅:中野坂上)

真言宗の学校。もともと女子校だったようですが、2007年に共学部を設置し、その後女子部を廃止。理数インターというのは理数的思考とコミュニケーション、プレゼンテーション力を育てる新教科で専門教科の異なる教師のチームティーチングとのこと。入試は色々なタイプがあり(読書プレゼン入試とか)、帰国生用も海外在住者用の世界スカウト入試、日本入試がある。日本入試は算、英または国の2科入試と書類選考と面接のみの入試がある。

 

⑤広尾学園(共学、最寄り駅:広尾)

 2007年に順心女子学園が共学化して改称。英語教育が特に強化されている。インターナショナルコースのアドバンスグループ(AG)では国語と社会の一部を除き、英語で授業が行われる。他のコースでもネイティブの授業が多く取り入れられている。AGの受験科目は広尾学園小石川と同じで英算国。算は英語での出題。それ以外のコースは国算。

 

まだまだあるので次回に続きます。

帰国子女の中学受験③ 大学付属校

さて、長男に帰国子女枠で中学受験をさせようと思ったものの、どの学校を目標にするのか大変悩ましいですね。

まず、大学までエスカレーター式で行ける付属校にするのか、大学受験前提の中高一貫校にするのか。。。

私自身は公立の高校から指定校推薦で大学に行ったため、まともに受験勉強をしたことがないんですよね。ですので受験勉強は大変だという意識と、我が子にはできるだけ苦労させたくないという親心で、まずは大学付属校から検討したいです。

帰国枠で受験できる東京近郊の早慶GMARCHの付属校(系属校も付属校と表記します)とその受験科目は私が調べた範囲では以下の通りです。

早稲田実業・・・国算理社の4科目受験

早稲田中学・・・国算理社の4科目受験

慶應SFC・・・英国算で国算は一般生と同じ問題

学習院・・・国算で帰国生用の問題

青山学院横浜英和・・・国算で一般生と同じ問題

立教池袋・・・国算で帰国生用の問題

立教新座・・・国算で一般生と同じ問題

中央大学付属中学・・・国算で帰国生用の問題

法政第二・・・国算で帰国生用の問題

 

早稲田系は4科目受験なので検討の対象外とします。すると、早慶の付属校ではSFCしかありません。また、GMARCHの付属校は国語と算数の2科目で受験できます。

う~~ん。。。小学生のうちに将来進学する大学を決めてしまうのがいいことなのか、かなり悩ましいですね。中学から大学付属に通うと受験勉強は1回でいいわけですよね?親としては苦労する我が子を見たくないわけで、昨今大学受験が難化しているという話も聞いていますし、付属校に入れたいという気持ちもあります。でも、これは親のエゴなのか?本当に子供のためになるのか?と考え始めると結論は出なくなってしまいます。

そもそも、英語力を維持向上させたいという目的を考えると、その英語力を使って大学受験すればよいのでは?と思ったり、いやいや英語以外の科目の勉強も厳しいから付属校の方がいいと思ったり。

大学付属校以外の中高一貫校も調べてみようと思います。

帰国子女の中学受験② いろんな学校がありますね

帰国子女中学受験を検討する前提として、どんな学校が帰国子女を受け入れてくれるのかということを調べないといけないですよね。

まず、帰国枠受験と関係なく私立中学を大きく2つのタイプに分けます。

・大学付属校

・中高一貫進学校

大学付属校はその名の通り大学に付属している中学校なのですが、大学までそのまま進学していくタイプ(早慶の付属やMARCHの付属校など)と、大学付属といいながらほとんどの生徒が別の大学を受験するタイプ(東京都市大学付属や国学院久我山など)があります。中高一貫校は大学受験を前提として6年間かけてその学校独自のカリキュラムが用意されているケースが多いです。

 

次に、帰国子女を受け入れた後、どのようなケアをしてくれるのかという観点からわけることができます。

・帰国生のみのクラスを編成し、帰国生の実情に合わせた授業を行う

・一般生と混ざったクラス編成だが、主要教科はレベル別に分けた授業を行う

・一般生と混ざったクラス編成だが、英語のみレベル別に分けて授業を行う

・一般生と混ざったクラス編成で特別なケアはしない(一般生と同じ扱い)

 

さらに、帰国枠受験は試験のタイプも学校によって様々で、以下のようなタイプがあります。

・英+算+国

・算+国

・英+算or国

・英のみ

・一般生と同じ問題で、点数を加算

このように様々なパターンがあり、さらに算数と国語を一般生と同じテストとするケースや帰国生用に難易度を下げるケース、日本語作文や英語のエッセーを書くケース、算数も英語で出題するケースなど学校によって千差万別です。

さらにさらに面接もバリエーション豊かで個人面接、親子面接、グループ面接があり、日本語のみの学校、日本語と英語で面接する学校、グループで英語でディスカッションなど、学校ごとに違いすぎて把握するだけでも大変です。

 

志望校を絞り込むに際して、大学付属にするのか、大学は受験するのか、帰国生のケアはどうなっているか、試験のタイプなどを全て検討しないといけません。

そして、なにより大切なのは教育方針、校風、カリキュラムがうちの子に合いそうかどうかです。また、当然ながら通える範囲にある必要がありますし、親としては学費も気になるところです。

 

うちの場合、中学受験をする大きな目的が次の2点です。

①英語力をのばす

②帰国子女でも楽しい学校生活をおくる

この2点を頭に入れながら、学校案内やホームページ、口コミ情報を精査してある程度絞ったところで本人と相談しようと思います。

 

帰国子女の中学受験① 受験するの?

私の長男は現在小学4年生です。

そろそろ、帰国した後のことを考えなくてはいけません。特に、子供にとってどんな中学校に進学するかは大きな問題です。そこで、中学は公立の学校に行くのか、私立を受験するのか決めなくてはいけません。

私自身は地元の公立の中学校に通い、公立の高校に進学しましたので、公立の学校にネガティブなイメージは持っていません。でも、長男を公立の中学校に進学させるのはちょっと心配です。まず、「いじめ」を受けるリスクを考えないといけません。地域差が大きいとは思いますが、残念ながら帰国子女が異分子として攻撃の対象になってしまったという話を聞いたこともあり、親としてはやはり心配です。

それ以上に考えないといけないのは、せっかくの英語力をどう伸ばしてあげるか、ということです。うちの子は現地校に通っているので(今はオンラインですが)英語のレベルは現地の同世代の子の若干下ぐらいだと思います。英検は受けたことはありませんが、たぶん現時点で2級は受かるけど準1級はもうちょっと難しい、というレベルです。親としては公立の中学校でみんなと一緒にabcから勉強させるより、さらに英語力を伸ばしてくれるような学校に入れてあげたいと思います。

では、帰国子女を受け入れて、レベル別の英語の授業をしてくれる中学校がどのくらいあるのか、入学するためにはどんな準備が必要なのかを調べる必要があります。

というわけで、上記のような学校を検索してみると、私の感想としては「まあまあ多いな」という感じです。

中学校から大学までの10年間は人生を左右する大切な期間ですので、どんな学校に照準を合わせるのか、本人とも話をしながら慎重に決めていきたいです。現在は日本人向けの塾にも通っているので、そこの先生からも情報を入手して考えていきます。

中学受験は親子の受験といわれていると何かで見た記憶がありますが、確かに子供だけで情報収集は難しいですし、長期的な計画を立てたりもできないでしょう。できる限りサポートしてあげたいと思います。